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【学校長ブログ】授業見学 成長はうれしい

  今日は高校3年生の体育の授業。新体操、種具はリボン。楽しそうに悠々と思いっきり体を動かす人、黙々と努力している人と様々です。授業の半分ほどを観るつもりでしたが、結局ほぼ最後まで観ました。音楽に合わせ一生懸命練習する姿を見ながら、まだ中学生の頃に学校見学で初めて出会った人、楽しそうに夢を語ってくれた人、勉強や部活で悩みながらここまで来た人、受験を前に不安を抱えている人、30人いれば30人の思いがここにある、いやいや集中しないとけがの元でしょう、そんなことを考えたりしました。
 授業の終わりには、それぞれの速度で1つ1つの技(?)を少しずつクリアしていく様子を見ることができました。成長は見えにくいことが多いけれど、体育の授業ってほんの1時間の中で生徒の成長をはっきりと目にすることのできる時間が多いのかもしれないなと思いました。それは生徒自身にとっても教員にとってもうれしい時間。素晴らしい。

 10年程前にフランスのルルドに巡礼に行きました。ルルドは、フランス南西部、ピレネー山脈北麓にある小さな町で、貧しく無学な14歳の少女ベルナデッタに聖母マリアがご出現になった洞窟のある場所です。その場所からは病の人々を癒す水が今も湧き出し続け奇跡が起こっています。洞窟の前には水がとうとうと流れるガブ川があり大変美しいところです。実は、ルルド駅で列車を降りた時、一気に重苦しいものに覆われた感じがしました。「うわ~」という感じでした。世界中の様々な感謝、悩みや苦しみ、思い、人の息がここに集まっている、そう強く思いました。不思議な感覚でした。
 暗くなりかけた夕暮れ、片手には火を灯したロウソク、もう一方の手にはロザリオをもち、平和のため、病気の方々の回復のため、そして参加者のそれぞれの意向にために祈るロザリオの祈りが始まりました。重い病の方々やボランティアの方々、巡礼者とたくさんの方々と共にロウソク行列に参加しました。言語は様々ですが、「Ave Maria」の部分は世界共通で、皆で一緒に「Ave Maria」と唱えると大きな力を得るようでした。ロザリオの祈りは本当に奇跡を起こすのだなと静かに思ったことでした。ルルドは毎年500万人の人々が巡礼に訪れるそうですが祈りの詰まった場所でした。
 
 さて、ロザリオの月も残りわずかとなりました。純心で、人々の幸せのために祈る、苦しむ人悩む人のために祈る、そっと手を合わせるそのようなことを学んでほしいなと思います。生徒たちの授業を観ながら、ルルドで祈った時のことを思い出しました。