【学校長ブログ】8月9日
わたしは耕す
世界の足音が響くこの土を
全身を一枚の落ち葉のようにふるわせ 沈め
明日の土壌に芽生えるであろう生命のことばに渇く
誰もが求め まく種子から
緑のかおりと 収穫が
原因と結果とを一つの線に結ぶもの
まさぐって流す汗が ただいとしい
原爆の死を 骸骨の冷たさを
血のしずくを 幾億の人間の
人種や 国境を ここに砕いて
悲しみを腐敗させてゆく
わたしは
おろおろと しびれた手で 足もとの土を耕す
泥にまみれる いつか暗さの中にも伸ばしてくる根に
すべての母体である この土壌に ただ 耳を傾ける
(『新編 志樹逸馬詩集』)
今日は長崎原爆の日。世界が平和になりますように。コロナウイルスが一日も早く終息しますように。76年前も長崎はクマゼミが鳴いて暑い日でした。
今読んでいる本は『「生きがい」と出会うために 神谷美恵子のいのちの哲学』(若松英輔著) 生きがいは作るものではなく探すもの、生きがいは与えられるものではなく、心の底から湧きあがるもの。今日も雑草を抜きながらいのちについて考えました。